
アメリカン・スナイパー
ドラマ
戦争の儚さや無情、さらには戦争に送り出される兵士の心の病を描いた作品で、アメリカ同時多発テロ事件を契機に始まったイラク戦争を舞台としてます。
お互いの「正義」と「悪」が存在する
アメリカ同時多発テロ事件を起こしたとされるテロ組織が潜むイラクを侵攻しますが、そこに派遣されたアメリカ兵士は愛国心を持ち、自国を守る正義感が当然のことながらあります。テロ組織、ならびにイラクを「悪」と見立てて。
一方で、テロ組織、ならびにイラク側も自身の行為を宗教や国を守る正義として見立てているのでしょう。
そのアメリカ側の正義、またはイラク側の正義が色濃く反映した作品で、イラクの女性や子どもが戦争に加担していることから、それが窺えます。
といっても、どこまでいってもお互いが和解することはなく、儚さや無情さを感じます。
数字としては判断できない
伝説のスナイパーであるクリス・カイルはイラク戦争で160人ものイラク人を狙撃して、仲間内では「伝説」と揶揄を含めて呼ばれています。
ただし、戦友のビグルスやマーク・リーなどアメリカも兵士を失います。それにカイルは心を傷めます。
さらに戦後ではありますが、カイル自身も銃殺されて、理想の父親、夫として愛していたカイル一家の悲しみや絶望を感じざるを得ません。
その描写を観て、戦争で亡くなった人数の比較でどちらが勝ったにはならないだろうと。1人であろうがその生命をなくしたという点で悲しみしか生まれません。
アメリカ側の視点から終始描かれている作品なので、その悲しみが観ている側にひしひしと伝わります。
おそらくイラク側の視点から描いたとしても、同様の感情を抱くのではないでしょうか。
