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SHAME−シェイム−

SHAME−シェイム−

ドラマ

生々しい描写で鑑賞することを敬遠する場面もありますが、個人的には作品が説明的でない点と作品に余白を感じる点で好みでした。
主人公ブランドンは深刻な性依存症に陥っていて、コールガールとのセックスを頻繁に行うが、一方で恋愛関係として付き合う相手とはEDに陥る。
ブランドンの妹シシーも同じく性依存症を抱えていて、終始情緒不安定です。
そのシシーの

「私たちは悪い人間じゃない、悪い場所に居ただけ」

という言葉は、兄妹の境遇は人柄によって表面化されたのではなく、あくまでも環境がそうさせたことを物語り、作品のキーワードになるのではないでしょうか。
ただしそのキーワードを読み解くことなく、鑑賞側のそれぞれがその背景を想像する作品となります。その点で説明的ではありません。

人は他人を蔑んでいる

この作品を鑑賞して改めて感じたのは、人は他人を羨む感情を持っているが、一方で基本的には他人を蔑んでいるのではないだろうかということです。
ブランドンは思春期の男性から羨まれるであろうセックス依存症です。
エリートサラリーマンであるが故に経済的に満たされていて、コールガールを頻繁に呼ぶことができます。
一方で、過去の恋愛での最長期間が4ヶ月であることをマリアンヌに打ち明けて嘲笑されます。
さらにマリアンヌが離婚経験者であることをブランドンに打ち明けると、ブランドンは結婚に対して否定的なので、「なぜ結婚したがるのか理解できない」と嘲笑します。
そのような嘲笑う場面が随所に散りばめられて、観ている側としてもブランドンの一心不乱にセックスする場面を嘲笑ってしまいます。滑稽であると。
加えて、作品中に流れる軽快なジャズピアノも軽快が故に深刻さを与えません、
極めつけはブランドンが電車に乗ってる最後の場面で、ブランドンが以前、電車中で好意を寄せた既婚者の女性と偶然再会します。
そこで今度は女性側がブランドンを求めますが、「既婚者なのになぜ俺に寄ってくるんだ」とブランドンが嘲笑ってるようでした。
社会では人を蔑んではいけないと教えられますが、一方で本能的にそうせざるを得ない。そのことで自尊心を保てるのではと考えさられた作品でした。