cotoblog

ミスチル「優しい歌」こそミスチル史上最大の分岐点

ミスチル「優しい歌」こそミスチル史上最大の分岐点

IT’S A WONDERFUL WORLD

2001年にリリースされたシングル「優しい歌」について。
「優しい歌」は2001年8月22日に発売されたミスチル20枚目のシングル曲になります。
さらに翌年2002年5月10日に発売された10枚目のアルバム「IT’S A WONDERFUL WORLD」の14曲目に収録されています。

ジャケット写真はマグリットの絵をモチーフに!?

その「優しい歌」のジャケット写真は宙に浮かぶ岩があり、その岩の上に街並みが佇んでいるものになります。

なんとも壮大なジャケット写真になりますが、このジャケット写真はベルギーの画家ルネ・マグリットが描いた作品「ピレネの城」をモチーフにしているようです。

画像引用元:ルネ・マグリット《ピレネの城》の詳細画像|MUSEY
ミスチルはもしかしたらルネ・マグリットの作品が好きなのではないでしょうか。
このマグリットの作品は未完Tourのオープニングのタッチにも似ているので。


引用元:ルネ・マグリット《山高帽の男》の詳細画像|MUSEY

「優しい歌」を制作した経緯

「優しい歌」は一部では、桜井さんの娘さん優歌さんに宛てた曲ではないかと噂が立てられました。
でも改めてこの曲を聴くと、桜井さんがミスチルメンバーに対する、またはファンに向けた並々ならぬ決意が感じ取れる楽曲のように感じます。
「優しい歌」を制作する前にミスチル、特に桜井さんはファンのことを煙たがっていたところがあります。
1999年シングル「光の射す方へ」を発表して、TBSの音楽番組「うたばん」に初出演した際に桜井さんは

街中でファンの人に気づかれることが1番嫌なことだ。だからTV出演時とは違う髪型で街中に出ると意外と気づかれないのでそうしている。

と発言されました。
なぜそのような発言を桜井さんがされたのか、それはアルバム「Atomic Heart」で売れて世間の目から注目されるようになり、プライベートの領域にさえ踏み込まれたことがきっかけのように思います。
会ったことのない知らない人が、Mr.Childrenの桜井さんと一般人としての桜井さんとを境目なく接しようとする状況に違和感を覚えたのではないでしょうか。
そのような環境や状況で内省的なアルバム「深海」「BOLERO」を制作されました。
さらに活動休止後では「DISCOVERY」「Q」と、ヒットチャートやマスメディアとは一線を画した中でミスチル自身が音楽を奏でて楽しむことだけに集中した楽曲制作となりました。
そのアルバム「Q」をリリースしてTour「Q」を回っている途中に、桜井さんが

このままメンバーがニコニコしてヒットチャートや世間から縛られずに曲を制作していくのなら、それこそここで解散した方がいいのではないか

と本気で思い、その胸中をメンバーにも伝えたとのことです。

「優しい歌」の歌詞を紐解いてみると

そのTour「Q」が終わり、次のミスチルをどうすべきかを考察した中で制作されたのが「優しい歌」になります。
1番のAメロ

しらけムードの僕等は胸の中の洞窟に
住みつく魔物と対峙していけるかな

この歌詞はアルバム「Q」を制作して、またヒットチャートや世間の人たちと向き合うことができるのかなと歌っているようです。
2番のサビ

後悔の歌 甘えていた
鏡の中の男に今復讐を誓う

この歌詞では、ヒットチャートや世間から一線を画して自分たちが奏でたい音楽だけを制作してた「深海」〜「Q」のことを指しているように思えます。
大サビから最後のサビ

群衆の中に立って 空を見れば
大切な物に気付いて 狂おしくなる
優しい歌 忘れていた 誰かの為に
小さな火をくべるよな
愛する喜びに 満ちあふれた歌

決意表明のような力強い歌詞ですね。
群衆の中に立って人々の笑い声や話し声が響いているなかで、「Mr.Children」の音楽も鳴り響くことの嬉しさを感じる。
ミスチルの音楽を求めている人に対して、最大限の愛を曲で提供しようと決意した歌詞ではないでしょうか。
ミスチルの歴代シングル曲で演奏時間が最も短い3分34秒の曲ではありますが、改めて聴くとその短さ故に感情の昂ぶりを感じることができます。

「優しい歌」制作後のミスチル

「優しい歌」の制作後はその歌詞を有言実行するかのように「TOUR POPSAURUS 2001」の野外会場で、ファンと一緒になって昔の楽曲「LOVE」や「星になれたら」を歌う桜井さんがいました。
加えて「シーラカンス」や「マシンガンをぶっ放せ」を歌ったかと思ったら「Hallelujah」「花」で収拾させて、夢や希望を届ける演出をされました。
さらにその翌年にデビュー10周年で発売されたアルバム「IT’S A WONDERFUL WORLD」では、「蘇生」「渇いたKiss」「youthful days」「Drawing」「君が好き」などのポップソングを制作して聴き手の生活とミスチルの楽曲が調和する世界へと回帰したようです。
それ以降、ap fesのLIVEやミスチルのTourで観客と一緒になって歌う桜井さんや、その光景を微笑みながら演奏するミスチルの姿が見れるようになりました。
「深海」の時と比べると驚くくらいの変わりようです。
ということで「優しい歌」はミスチルの分岐点のように思えますが、いかがでしょうか。