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ミスチル「生きろ」を聴いた感想

ミスチル「生きろ」を聴いた感想

ミスチル情報

5/11にリリースされたベストアルバム「Mr.Children 2015 - 2021 & NOW」に収録されている新曲「生きろ」は映画「キングダム2 遥かなる大地へ」主題歌となります。
楽曲制作はアルバム「SOUNDTRACKS」に続きスティーブがプロデューサーとして、サイモンがオーケストラアレンジャーとして招聘されており、コロナ禍の中で東京でのバンドレコーディングとロンドンでのピアノ&オーケストラレコーディングをリモートで繋いで制作されました。
MVはこれまでに数々のミスチル作品のビジュアルを手掛けられた森本千絵さんが担当されています。
そんな「生きろ」を聴いて感じたことについて。

「生きろ」というタイトル

ミスチルの新曲が発表されてそのタイトルにまずは驚かれたのではないでしょうか。
「生きろ」、命令形ですね。
ミスチルが発するメッセージは「終わりなき旅」のサビ「次の扉をノックしよう」が代表されるように提案型のメッセージが多いように思います。強制ではなく「〜の方が良い」と道標を提示してそれに対してどう動くかは受け手の判断に任せる、そんなスタイルを今まで取ってきたのではないでしょうか。
それが「生きろ」という命令形のタイトルを付けることはミスチルとしては画期的だったのでは。過去の楽曲で命令形のタイトルを付けたのはアルバム「I ♥ U」に収録された「跳べ」くらいでしょうか。この「跳べ」は具体的行動というよりむしろ意志を促してるので具体的行動そのままの「生きろ」は過去曲と比べるとより際立ったタイトルになるのではないでしょうか。
この「生きろ」というタイトルは最後のサビ

思いきり笑える その日が来るまで 生きろ

から付けられましたが、楽曲制作当初は「生きろ」という歌詞はなかったと桜井さんが話されてます。
楽曲が出来上がる中で付けられた言葉で、コロナ禍を体験したからこそ生まれた無意識に発した言葉だったのではないでしょうか。
つまり1番サビの最後「行こう」で最後のサビも終われば、今までのミスチルの提案型メッセージとなった曲になりますが、この曲は異なるということですね。

「生きろ」の言葉の背景を考察

「生きろ」という言葉についてまだ書きます。
この楽曲が収録されたベストアルバム「Mr.Children 2015 - 2021 & NOW」をリリースした5/11に芸能界で訃報がありました。それと関連付けた方もいたのではないでしょうか、僕もそのひとりで。
僕個人が生死に関する考えや人生観をここで書いても薄っぺらくなるので書きませんが、このニュースに対して爆笑問題の太田さんのコメントが、僕が抱いてた想いを代弁してると感じました。

今生きてる人が1番大事だからね。3年間コロナがあってそれが収まるかと思いきや戦争が始まって息も吸えないような現実で、1番大事にするのは自分だからね。

桜井さんの歌詞では生きるのは「思いきり笑える その日が来るまで」と希望があるからとしてますが、それは建前上で本当は希望がなくても生きるしかないと発したかったのではないでしょうか。
太田さんがコメントされたように今生きてる人が1番大事なので。

聴けば聴くほど良くなる

肝心の楽曲について。この楽曲はバンドの楽器と弦楽器の音が序盤から終盤にかけて徐々に重なっていき弦楽器のアレンジがモーツァルトなどのクラシックを彷彿とさせます。
さらにサビ歌詞の「追いかけろ 問いかけろ 水掛け論 鍵掛けろ」の韻の踏み方は桜井さんの真骨頂ではないでしょうか。
この楽曲を初めて聴いたのはYouTubeにアップロードされた時で、2回目は30周年記念ツアー「半世紀へのエントランス」東京ドーム公演になります。
その1回目、2回目のときはサビの独特のメロディとリズムが初めて聴く類のもので、身体の中を沈殿するまではいかなったですが、複数回聴くと徐々にそのサビの良さが身に沁みます。
サビの終盤にかけての高揚感はどこかオーケストラの大団円を迎えるかのようです。
ミスチルご自身の楽曲への想いも並々ならぬもので、JENさんは名曲として昇華して欲しいと話し、田原さんは今自分が求めてる楽曲そのものだと話しています。
そしてそれを裏付けるかのように「半世紀へのエントランス」ツアーでも重要局面で歌われています。
他の楽曲と同様に、いつかこの楽曲に救われる日が来るのではないでしょうか。

映画「Mr.Children GIFT for you」で発見した「生きろ」のメッセージ

「ミスチル映画「Mr.Children GIFT for you」を鑑賞して感じた「偶然性」に贈るGIFT」でも書きましたが、2022年12月30日から公開された映画「Mr.Children GIFT for you」で、「Tour 半世紀へのエントランス」で演奏した「生きろ」が観れます。
この映画はご存知の通りミスチルデビュー30周年を記念して、30年分のファンの想いをエピソード付きで紹介して、さらに「Tour 半世紀へのエントランス」のLIVE映像も流す構成となっています。
ミスチルのファンへの感謝、逆にファンからミスチルへの感謝を楽曲に乗せて表現していて、LIVE映像の「GIFT」でそれらを大きく包み込む、温かい映画となります。
ところが、その「GIFT」の次に最後の楽曲として演奏した「生きろ」が凄まじかったです。
GIFTを贈るには、あるいは受け取るには「何としてでも生きててくれ」、そんな強いメッセージを感じました。
それは「GIFT」で表現した温かさではなく、むしろ混沌さ、残酷さを含めた切実さです。
「生きていなければ、一緒に喜びをも分かち合えない」、そんなファンへの想いを表現した楽曲であると、映画を観て発見することができました。