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ミスチル「永遠」を聴いた感想

ミスチル「永遠」を聴いた感想

ミスチル情報

3月24日(木)よりNetflixにて全世界独占配信される映画「桜のような僕の恋人」の主題歌「永遠」が3月24日よりダウンロード&サブスクリプション配信されました。
そこで「永遠」を聴いて思ったことについて。

Bank Bandではなくミスチルの理由

「永遠」はアルバム「REFLECTION」制作以来の小林さんがレコーディングに参加されていることで注目を浴びています。
いちファンとして小林さんと制作された楽曲は改めてどのようなサウンド、アレンジとなるのか固唾を呑まざるを得ない初聴となりました。
まずイントロは弦が微かに聴こえますが、ピアノの主体で楽曲の世界に惹き込ませます。
それは「祈り〜涙の軌道」「Forever」を彷彿させて、「さすが」のひと言に尽きます。
バンドサウンドは1番のBメロからドラムとベースが、サビからギターが入ってきます。
このあたりの入り方にセンスを感じて、特にBメロから入ってくるドラムとベースには痺れました。
その理由として、イントロから1番のAメロまではBank Bandの楽曲でも違和感がなく、桜井さんと小林さんのみで構成されるアレンジで、それがBメロから入ってくるドラムとベースでミスチルの楽曲へと変貌を遂げたように感じたからで。
僕は音楽理論や演奏技術については無頓着で、理論付けて説明することは出来ないですが、JENさんと中川さんはBank Bandでは表現できない演奏技術を持っているように感じました。
それは琴線に触れる音や親しみやすい音のようで、Bank Bandよりミスチルの楽曲を好む理由のひとつが分かったような気がしました。

本当は小林さんではなくサイモンに楽曲依頼したかった!?

これも音楽理論がないので当てずっぽうな感想となりますが、「永遠」は転調の回数が多いように感じました。
Bメロ、サビ、大サビと何度も転調をしている楽曲かと。
以前桜井さんが「誰も得しないラジオ(仮)」、もしくはファンクラブ会報で

「制作中のデモテープで何度も転調する楽曲があってそれをサイモンに依頼したい」

と話されてました。
「永遠」がそのデモテープにあたると。
※そのサイモンとはアルバム「SOUNDTRACKS」で弦やピアノのアレンジを担当された方で桜井さんが弦のダビングを聴いて初めて泣いたほど信頼を置いてる方になります。
ただコロナ禍でロンドンへレコーディングすることが難しいので、小林さんに弦やピアノのアレンジを依頼したのではないでしょうか。

後日談

「ROCKIN'ON JAPAN」6月号では、ミスチルが表紙巻頭としてインタビューを受けました。
そのインタビューで「永遠」制作秘話として、小林さんに依頼した経緯について書かれてました。
僕の予想に反して「永遠」のアレンジについて煮詰まって煮詰まって、どうアレンジして良いか分からなくなった結果、小林さんに依頼したとのこと。
その小林さんのアレンジを聴いて「そうそう、こういうアレンジをしたかった」と気付かされたようで、手の届かないところに届かせる小林さんの技術を賞嘆されてました。

さらに余談

桜井さんが楽曲アレンジに煮詰まって小林さんに依頼した状況と同様に、サザンオールスターズの桑田さんも昔、ミスチルがレコーディング中にスタジオに訪れて「ちょっと小林借りてもいい?」と話されて楽曲の相談をされたようです。
サザンオールスターズのアルバム「世に万葉の花が咲くなり」では、小林さんをプロデューサーとして招聘した過去もあり、桑田さんから絶大な信頼を得ている裏付けとなるエピソードですね。

2番のサビの歌詞に鳥肌が

ミスチルファンの方なら既にご存知かと思いますが、桜井さんは作詞するときに2番のサビの歌詞を大事にされています。
以前「佐野元春のザ・ソングライターズ」という番組で、桜井さんがゲストとして出演されたときもそのことに触れ、歌の中で1番伝えたいメッセージを2番のサビに入れると話されてました。
さらにCMや主題歌として流れるのは、大抵1番のサビや最後のサビで2番のサビを知らないまま曲を聴いて、その歌詞で心を掴ませたいという狙いもあるとも話されてました。
そのため「名もなき詩」や「終わりなき旅」の2番のサビの歌詞で感動された方が多く、特に「名もなき詩」の2番のサビ

愛はきっと奪うでも与えるでもなくて
気が付けばそこにあるもの

という歌詞が出来上がったときに桜井さんは、この曲がリリースされるまでは死にたくないと思ったほど思い入れがあったとのこと。

そして「永遠」の2番のサビ

空に残された飛行機雲 ふと自分が重なる
凄いスピードで逝ってしまう君に 必死で追い縋る
君さえ知らない 本当の君を見せてあげたかった

この「凄いスピードで逝ってしまう君に」のメロディと歌い方と歌詞が良いですね。
聴いてて心地良く歌ってても気持ち良いくらいにメロディと歌詞のはめ方が上手いように感じます。
さらに「君さえ知らない 本当の君を見せてあげたかった」は、アルバム「シフクノオト」の「花言葉」のサビ

君の全て 僕に見せて欲しかったのに

の進化版のようで良いですね。
どちらも恋が終わってしまった歌なので通じるものがあります。
※「永遠」の君は「逝ってしまう」という表現なので亡くなったという内容でしょうか。「花の匂い」風に形容すると「本当のさよなら」になりますね。
「永遠」の歌詞解析については僕の見解より断然に的を射てる解説動画があるので、そちらを参照されると良いかと思います。
思わず「なるほど」と頷く点が多々あります。

「永遠」は過去のミスチル楽曲を思い起こさせる

ミスチル新曲を聴くと過去の楽曲と似た箇所を無意識に探してしまいます。
それは2ちゃんねるでもそのようなコメントがありますし、まだ新曲を聴いてないひとに「どういう曲に似てる?」と質問されて、過去の楽曲を掘り下げて答えるので楽曲を形容する手段として用います。
そこで「永遠」を聴いて思い起こした楽曲は

  • はるまついぶき
  • GIFT
  • Documentary film
  • 水上バス
  • 僕らの音
  • 口がすべって

になります。
次にそれらの楽曲を「永遠」のどこの箇所で思い起こしたかについて。

はるまついぶき

Bank Bandの楽曲「はるまついぶき」はイントロとAメロを聴いたときに思い起こしました。
それはピアノの切ない世界観とそれに呼応する桜井さんの声が「永遠」でも表現されているので。

GIFT

ミスチル32枚目のシングル曲「GIFT」はサビの出始めで思い起こしました。
サビの

独りきりシャッターを押す人差し指

の「独りきり」と「シャッター」の箇所で譜割りすると、おそらく「シャッター」からサビのコードが始まると思うのですが、メロディは「独りきり」からサビの準備をしていてメロディとコード進行の関係がとても気持ち良く聴こえます。
それは「GIFT」のサビ

「白か黒で答えろ」という

の「白か」「黒で」で譜割り上は「黒で」でサビが始まりますが、メロディは「白か」でサビの準備が入る手法と同じではないでしょうか。
この手法は個人的にものすごく好きで、まさしくサビの入り口として掴まされるのですが、桜井さん以外でこの手法でサビを表現するミュージシャンがいないように思えます。

Documentary film

アルバム「SOUNDTRACKS」に収録されいてる「Documentary film」はサビの歌詞で思い起こしました。
サビの歌詞

独りきりシャッターを押す人差し指 そのレンズの先には
必死で何かを僕に伝えようとしてる あの日の君が見える
一瞬でさえも逃したくなくて

は「Documentary film」の同じくサビの歌詞

誰の目にも触れないドキュメンタリーフィルムを今日も独り回し続ける
そこにある光のまま きっと隠しきれない僕の心を映すだろう

この歌詞については同じように思われた方も多いはずです。
いつまでも忘れたくない出来事を記憶したいという想いを、目の前の出来事をデータとして記録するカメラで実現するという比喩表現でしょうか。

水上バス

アルバム「SUPERMARKET FANTASY」に収録されている「水上バス」は大サビで思い起こしました。
大サビ

時は行き過ぎる そこになんらかの意味を
人は見出そうとするけど

の急に曲調が変わり浮遊感のある世界は、「水上バス」の同じく大サビに通じるかと思います。

川の流れのように 愛は時に荒れ狂って
お互いの足をすくいはじめる

「永遠」の方が曲調が急展開に変化して聴いていて驚いたほどです。

僕らの音

アルバム「I ♥ U」に収録にされている「僕らの音」は最後のサビの最後のメロディとタメで思い起こしました。

君は僕の中の永遠

の最後の「永遠」を歌う前のタメ(間)と「僕らの音」の同じく最後のサビの最後のメロディ

これが僕らの音

の「音」を歌う前のタメ(間)に似てると。
ここで最後に伝えたいこと強調したいことを表現されたと思いますが、甘酸っぱい表現方法に感じます。
青いというか若いというか、その点でミスチルの歳相応ではない表現で、どちらかといえばこの曲が「桜のような僕の恋人」の青春恋愛作品の主題歌だからこその表現になるのではないでしょうか。

口がすべって

アルバム「SUPERMARKET FANTASY」に収録されている「口がすべって」はアウトロで思い起こしました。
最後のサビが終わった後の大団円として、バンドサウンドと弦とピアノが一体化するアレンジはまさしくイントロのピアノのみで始まった物語が終わりを迎える、1つの映画を観終わったような感慨に浸ることができます。

最後に

僕はApple Musicで「永遠」を聴いたのですが、歌詞も表示できるので良いですね。
歌詞を読むと、なぜその感情を抱いたのか具体的な物体を用いて描写がされていて、さすが桜井さんだと思いました。
さらにBank Bandとミスチルの違いが判然とした楽曲になるのではないでしょうか。
ただ小林さんのフレーズが増えれば増えるほど田原さんのギターが絞り出せられてるようで、アルバム「SOUNDTRACKS」のサウンドとは違ったように聴こえました。
これも小林さんとサイモンとのアレンジや音の埋め方の違いからでしょうか。
ずっと小林さんがミスチルのプロデュースだったら気が付かなったような点にも気付けた、そんな楽曲かと思います。