
ミスチル「miss you」2024アリーナツアー千葉公演2日目セトリと詳細レポートと感想
LIVE/映画情報
2024年7月7日に「Mr.Children tour 2024 miss you arena tour」の千葉県ららアリーナ 東京ベイ公演で行われたLIVEを鑑賞したので、そのセットリストと感想、MCの内容、さらに印象的だったシーン、楽曲についてを綴ります。
サポートメンバーはSunnyさんのみで、ミスチル4人と5人体制でのLIVEパフォーマンスでした。
なお、ネタバレを含んだ内容になりますので、これからLIVE鑑賞する方はご覧いただかないことをお勧めします。
セットリスト
- 叫び 祈り
- I MISS YOU
- REM
- アンダーシャツ
- Everything(It's you)
- 靴ひも
- Fifty’s map ~おとなの地図
- 青いリンゴ
- つよがり
- Are you sleeping well without me?
- LOST
- アート=神の見えざる手
- 雨の日のパレード
- 血の管
- Party is over
- We have no time
- ケモノミチ
- 365日
- 記憶の旅人
- The song of praise
- End of the day
- 未完
- 終わりなき旅
アンコール
- Hallelujah(アコースティックver)
- 優しい歌
- Sign
- in the pocket
LIVEの感想
ご覧いただいたとおりアルバム「miss you」の世界観、アレンジを肉付けしたようなセットリストでした。
アルバム「miss you」について
個人的にアルバム「miss you」はミスチルのアルバムの中でベストに入る作品で、アルバム全体がまるで同じ明度、彩度、色度で構成されていて、いつどんな時でも身構えることなく聴くことができるアルバムです。
さらにアルバム「深海」、「IT'S A WONDERFUL WORLD」に通じるコンセプチュアルアルバムで、小林さんを介せずにミスチル4人で作り上げたコンセプチュアルアルバムです。
それは、アルバムの楽曲全体を同じ明度、彩度、色度に合わせるために予め楽曲が出揃った中で、4人でアレンジを合わせたことが窺えるます。
アルバム「miss you」の世界観をLIVEで表現
そのアルバム「miss you」の世界観をセットリストで反映させたことが、本アリーナツアーの最大のポイントではないでしょうか。
セットリストでは「I MISS YOU」から「ケモノミチ」までアルバムの曲順通りに演奏され、その合間に過去の同じようなテイストの楽曲を選んでることから、そのコンセプトが窺えます。
アルバムの楽曲順に演奏したツアーとして思い出されるのが「1996 - 1997 REGRESS OR PROGRESS」で、そのツアーではLIVE中盤にアルバム「深海」の1曲目「Dive」から「深海」までノンストップで演奏されます。
そのツアー以来の試みで、鑑賞する身としてはアルバムの曲順どおりにLIVEが進行していく度に興奮が重なっていきました。
アルバム「miss you」を肉付けした楽曲と演奏
2曲目「REM」では「そこで何してるの? 君はどこにいるの?ずっと探してるよ 君を愛してるよ」と歌い、6曲目「靴ひも」では「あぁ 一秒でも早く君の待つ場所へ」と歌う。
それは「I MISS YOU」の末、もう一度君を探す旅を始めたようです。
さらに9曲目「つよがり」は次の曲「Are you sleeping well without me?」の世界観を表現するためのアクセントとなり、14曲目「血の管」は「雨の日のパレード」と「Party is over」のアレンジ、空気感を中和させる役割を持ち、どれもアルバム「miss you」の楽曲が持つ世界観を邪魔しない、程よいアクセントを入れています。
さらにアルバム楽曲では演奏されなかったドラムやベースが追加される楽曲もありますが、程よいアクセントとしての役割を持ち、決して楽曲が持つ世界観を大幅に壊すものではありませんでした。
アルバム「miss you」が好きな人にとっては至上のLIVE
アルバム「miss you」を聴いてない人、あるいは好まない人にとってみると物足りない序盤から中盤にかけてのセットリストですが、思い入れのある人にとっては至上のセットリストでした。
「miss you」ホールツアーから昨日のアリーナツアー初日のセットリストを全く知らない私にとっては、「LOST」「アート=神の見えざる手」「We have no time」のイントロが鳴った瞬間、興奮が増していき歓喜してました。
特に「ケモノミチ」が終わった後の「365日」は圧巻で、365日永遠にSOSというラブレターを贈り続けてるように受け取れます。そして「記憶の旅人」で「僕はここにいるよ」と存在の確認を示します。
それらはまるで「miss you」という取り留めのない孤独の感情は、君がいることの再確認、あるいは尊さを促す出来事に過ぎないことだったと表現してるようです。
LIVEで印象に残ったシーン
次にLIVEで印象に残ったシーンになります。
オープニング
16時にLIVE会場の照明が落とされてオープニング映像が流れます。
「Tour 2011 SENSE」「Tour 2009 ~終末のコンフィデンスソングス~」のような手の込んだ映像ではなく、アルバム楽曲「ケモノミチ」のMVの延長で作られたような映像でした。
それは「ケモノミチ」がアルバムを象徴する楽曲であることが分かります。
中川さん、田原さんの新たな演奏アプローチ
中川さんは「アート=神の見えざる手」、「雨の日のパレード」でエレクトリックアップライトベース(ウッドベース?)を弾いていました。中川さんがエレクトリックアップライトベースを弾いている姿を拝見するのは、LIVEでもレコーディングでも今回初です。
田原さんはアコースティックギターを弾く機会が多く、「LOST」「Party is over」「We have no time」「ケモノミチ」ではアコースティックギターを弾いていて、おそらくアルバムのレコーディングでも同じくアコースティックギターを弾いてるのではと感じさせるパフォーマンスでした。
その田原さんと中川さんが、桜井さんがアコースティックギターでSunnyさんがキーボードを弾いた「Hallelujah(アコースティックver)」では、、最後のサビでドラマーとして加勢します。それはまるでRadioheadの「There There」のLIVEパフォーマンスを彷彿とさせました。
そして、鈴木さんは昔のように全身を使ってドラムを叩くことはなく、さらにドラムの音数も少なくなった印象です。それでもメロディのアクセントにドラムを叩く独特の技術は健在で、心地よくリズムに乗りやすいパフォーマンスでした。
ステージ衣装
ステージ衣装は上下黒を基調としたジャケット、シャツ、パンツで、今までのLIVEにはないエレガントな装いでした。過去のLIVEを例にすると「Split the Difference」でしょうか。
個人的には特に中川さんのシルエット、着こなしが好みでした。
ステージセット
近年のアリーナやドーム公演ではセンターステージを設けて、桜井さんがメインステージからセンターステージまでの道を駆け抜けて歌ったり、またはセンターステージにて4人で楽曲演奏をされましたが、このLIVEではセンターステージは設けられませんでした。そのようなLIVEパフォーマンスを必要としない、見るより聴くことを重視して欲しいという意図を感じます。
アリーナツアーといえど前回のホールツアーの世界観をそのまま持ち込んだ印象を受けました。
ステージ演出
1曲目「叫び 祈り」では桜井さん以外のメンバーで演奏されて、終わるとメインステージを柵のようなセットで囲みます。
2曲目「I MISS YOU」で桜井さんがセンターステージに登場されますが、その柵により全貌を見ることが出来ず、シルエットのみが映ります。
それはまるで「TOUR 2015 REFLECTION」の1曲目「fantasy」に通じる演出でした。
10曲目「Are you sleeping well without me?」では、JENさんとSunnyさんのみがステージに残りイントロが流れます。
歌い出し直前に桜井さんがステージに登場されて、観客席から見て左側のステージにセットされた椅子まで歩いて座り、歌います。
そのミュージカル?のような演出が11曲目「LOST」まで続き、歌い手というよりはむしろ演者として、桜井さんは歌詞に合わせた演技を身振り手振りで歌います。
そして、12曲目「アート=神の見えざる手」では、観客席から見て右側のステージにセットされた椅子に座り、ビデオカメラを前にして、まるで歌詞を独白するような演出となります。
この10曲目〜12曲目のステージ演出はこのLIVEのハイライトのひとつでした。
Hallelujahを選曲した理由
個人的に「Hallelujah」はミスチル史上最高のラブソングで(「ミスチルファンが選ぶミスチル珠玉のラブソング7選
」に記載)、2000年当時に桜井さんが歌った奥さんへの想いが今もなお続いていて、それが「365日」「黄昏と積み木」「おはよう」に繋がってることを連想できて感慨深いです。
ひとりの人を想うことで過去の作品と未来の作品とを繋ぐことができる、このLIVEで「Hallelujah」を選曲した背景にはそんな変わらない想いが込められたと感じました。
LIVEで印象に残った楽曲
次にLIVEで特に印象に残った楽曲についてになります。
アンダーシャツ
まずは4曲目に演奏された「アンダーシャツ」になります。
「アンダーシャツ」は7枚目のアルバム「DISCOVERY」に収録されている楽曲で、「DISCOVERY TOUR '99」では演奏されましたが、それ以降は滅多にLIVEでは演奏されない楽曲です。私の知る限りでは2010年「Split the Difference」でLIVE演奏された以来かと思います。
「アンダーシャツ」の桜井さんのギターソロについて、桜井さんご自身が今までのLIVEで1番お気に入りのLIVEシーンだそうです。
「ミスチル「DISCOVERY」ツアーのときのかっこよさ!」で記載しましたが、1999年「DISCOVERY」ツアーはミスチル活動再開後最初のツアーということで、外へのエネルギーと自己顕示欲に溢れたLIVEでした。
その中で「アンダーシャツ」の桜井さんのギターソロでは写真のとおり、ロックギタリスト並みの派手なパフォーマンスでギターのチョーキングを鳴らしたのですが、なんと本公演でもそれに負けないくらいの派手なパフォーマンスを披露して、思わず「懐かしい!」とさえ感じさせました。
LOST、We have no time
次に11曲目に演奏された「LOST」と16曲目に演奏された「We have no time」になります。
桜井さんと言えば、「しるし」「365日」「君が好き」に象徴されるように、綺麗なメロディ旋律を作るアーティストですが、一方で「Dance Dance Dance」「フェイク」のような少ないコード数の上にビートを刻むメロディを作るアーティストでもあります。
「LOST」「We have no time」はその後者に当てはまる楽曲で、LIVEでも桜井さんの饒舌な語り口にも似たメロディが印象的で、バンド演奏よりメロディが先行して楽曲を引っ張る力強さ、あるいはリズムの心地よさを感じるパフォーマンスでした。
「Fifty’s map ~おとなの地図」では、「偶然に助けられ なんとかやって来ただけのこと」と歌いますが、桜井さんが持つ確固たる表現、技術の必然性を感じることができます。
365日
個人的にはこのLIVEでもっとも響いた楽曲でした。
「365日」は16枚目のアルバム「SENSE」に収録されている楽曲で、個人的にはそこまで好む楽曲ではありませんでした。
それはその当時プロデューサーである小林さんと制作する楽曲は似たりよったりで、その中の1曲という位置づけだったからです。
本公演では上述したとおりアルバム「miss you」の曲順通りに演奏したセットリストで、「ケモノミチ」が終わった後の「365日」の演奏は、まるで365日永遠にSOSというラブレターを贈り続けてるように受け取れました。
それは今まで聴いてきた「365日」とは異なる聴こえ方、捉え方で、まさに「miss you」から「meet you」の瞬間を表現されて、miss youを締め括るに相応しい楽曲でした。
本ツアーはこの「365日」を聴くまでの過程と聴いた後を楽しむLIVEである、と言っても過言ではないと思います。
MC
次に桜井さんのMCの内容になります。※一言一句は合っていません
20曲目「The song of praise」演奏前
他者を罵り合い、蔑む声を上げるのではなく、讃える声をあげよう
22曲目「未完」の2番目のサビが終わり間奏途中
2年前に「半世紀へのエントランス」ツアーを敢行して50周年に向けて動き出したMr.Childrenですが、いつくたばるか、いつダメになるかは分からないです。
それでもこのようにLIVEをしてみんなの表情を見ると、背中に心に羽をつけてくれてその目的まで羽ばたかせてくれる気がします。
僕らの奏でる音楽でみなさんの心にも羽をつけられるような、そんな後押しが出来ることが僕らの願いです。
1日でも2日でも、1週間でも1ヶ月でも、1年でもそれが長く続くことを願っています。
もし目的地を見失ったり、羽を見失ったとしたらまたここでお会いしましょう。
このMCはLIVEのハイライトシーンのひとつで、ミスチルがLIVEを通じて伝えたかったことではないでしょうか。
MCで話された「羽」は「未完」の歌詞「いっそ飛べない鳥の羽なんか もがれちまえばいい」に通じるもので、そのMCが終わった後に「未完」の最後のサビが続き、
「いっそ飛べない鳥の羽なんか もがれちまえばいい」
そう ほざいてみたって試練は手を緩めちゃくれない
だから もうユニフォームを脱いで 脱いで
自由 自由 自由!!
の桜井さんの叫びとバンドサウンドは圧巻のひと言で、熱い魂を感じさせるパフォーマンスで、過去のツアー「Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25」での「1999年、夏、沖縄」に通じるMCと歌詞をリンクさせた演出でした。
アンコール1曲目「Hallelujah」演奏前
ハレルヤという言葉の意味を調べてみると歓喜・感謝を表す言葉のようです。僕はキリスト教徒ではないので、その本当の意味は分からないですが、僕なりの解釈としてはどんな状況であっても、今見えている物、事を讃えるという意味だと捉えてます。
アンコール4曲目「in the pocket」演奏前
終わりなき旅、Signを歌ってる時にお客さんの中で泣いている人を見かけますが、それを見てもらい泣きしそうになります。Signの歌詞にあるとおり、みなさんが見せる仕草を忘れずに持って帰ろうと思います。
では、最後の最後の最後に最新の楽曲を演奏します。in the pocket!
残念だったこと
このLIVEで残念だったこと、それはアルバム終盤の楽曲「黄昏と積み木」「deja-vu」「おはよう」の3曲が聴けなかったことです。
アルバム「miss you」の特徴
アルバム「miss you」を聴くと、1曲目「I MISS YOU」から内省的で、時間の経過とともに得た喪失感、あるいは終わりを歌っていてサウンドも全体的に暗いです。
さらに楽曲アレンジも実験的で、いわゆるミスチルサウンドではないです。
さらにギター、ベース、ドラムの音が限りなく少なく、アンプラグドな楽器を選ぶアレンジが多いことが特徴的です。
そのアレンジは桜井さんソロの様相を呈してるように聴こえますが、アルバムリリース後の田原さんの発言から意図的であることが分かります。
つまり、楽曲アレンジについては4人で議論を重ねた結果であり、それがアルバムのテーマでもあることが窺えます。
その世界観が「ケモノミチ」まで続き、それが終わると間髪入れずに「黄昏と積み木」が流れます。この楽曲からリスナーにとっては馴染み深いミスチルサウンドとなり、歌詞も一変します。
それはまるで「I miss you」から「I meet you」に変わる、そんな瞬間で、アルバムのハイライトのひとつに感じます。
アルバムで1番好きな瞬間
「黄昏と積み木」では序盤から桜井さんの歌と田原さんのギターがメロディとカウンターメロディの関係性で、その掛け合いが聴き応えです。そのミスチルサウンドを奏でるなかでBメロの
欲張らないでいれば人生は意外と楽しい
では田原さんのギターは鳴らず、弦楽器で楽曲の温かみうぃ出します。
その歌詞、アレンジこそが個人的にこのアルバムの1番好きな瞬間で、この瞬間をLIVEで聴きたかったです。
その3曲の替わりとして
LIVEではアルバム終盤の楽曲「黄昏と積み木」「deja-vu」「おはよう」を歌わなかった理由として、それら3曲の男女2人の深い関係性を表現した、あるいはmiss youから最愛の人を見つけた結果として、このLIVEでは「365日」「Hallelujah」「優しい歌」「Sign」が取って替わったと考えれば納得します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ミスチルのLIVEは、個人的にはアニバーサリーを祝うツアーよりアルバムツアーを好みます。
それはアルバムで表現したかったことを見て聴くことが出来るからで、このLIVEでは今までのアルバムツアーと比較しても色濃く表現されてたように感じました。
その点で申し分のないLIVEでしたが、それと同じくミスチルの観客に向けての精一杯のパフォーマンス、音楽に対するモチベーションが毎度変わらずに、どのLIVEでも表現できていることに毎回驚かされます。
LIVEは非日常空間で、仕事を休んでまで、あるいは遠方からわざわざ会場に運ぶ観客がいるなかで、精一杯のパフォーマンスでそれに応える姿勢が表現者、仕事人としての鑑であるように感じます。
「またミスチルのLIVEを見に行きたい」みんなが思う理由のひとつではないでしょうか。
